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生きものの記録 黒澤明監督 - 2008.12.12 Fri

生きものの記録<普及版> [DVD]生きものの記録<普及版> [DVD]
(2007/12/07)
三船敏郎;三好栄子;清水将夫;千秋実;青山京子

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普段ほとんど映画をみない私が久しぶりに映画をレンタルして観たので感想を書いてみようと思います。

この映画は爆笑問題の太田さんが絶賛していたので興味をもちました。

70歳の老人を演じる三船敏郎は鋳物工場の経営者で、一代で工場を大きくしてきた、ワンマンでやり手の昔ながらの『強いお父さん』といった感じです。

そんな彼がある時から、原水爆に異様な恐怖心を抱くようになります。私財を投げ売って、東北の方に核シェルターを作ろうとしたり、家族みんなでブラジルに移住しようと言い出します。

それに対して困ったのは家族です。
原水爆は怖いのは分かるが、こっちも生活があるのだから、ブラジルに移住なんかもできないし、そんなに勝手に工場のお金を使われても困ると、家庭裁判所に彼が財産を自由に処分できないように訴えます。

やがて家族の申し立ては認められ、原水爆の恐怖にかられた彼はますます狂乱してしまう…といった内容です。

彼が狂っているのか、水爆をもつ現代社会が狂っているのかを厳しく問いかける、黒澤明の社会派メッセージ映画といった感じです。

この映画が出来た1955年という時代は、私は生まれていないのでわからないのですが、世界的な緊張感があったり、戦後10年という事で国内も社会的な不安感が強く漂っている時代だったのかな?、そんな時代だったのでこんな映画が生まれたのかな~と思いながら見ていました。

平和な時代に生まれた私にとっては『彼が狂っているのか、水爆をもつ現代社会が狂っているのか?』というメッセージ性について感覚的にはちょっとわからなくて、つくづく自分は平和な時代に生まれてきたのだな~と感じました。

そんな中、私が一番興味深かった所はそのような原水爆に関する所ではなく、この映画での精神科病院の描き方でした。

この老人最終的には、精神科病院に入院する事になるのですが、そこでの描き方に軽くショックを受けました。
裁判所の調査官と主治医が話をするシーン、二人が話をしているその後に鉄格子があり、その奥に20~30人くらい患者さんが大部屋で生活しているという様子が描かれています。

狭い所にたくさんの患者さんを押し込めて、みな雑魚寝で生活しています。外で話す主治医と調査官との会話が気になるのか4~5人の患者さんは物欲しそうな目でこちらをじーっと見ていますが声を発する事もなく表情も乏しいです。話をしている人もおらず、みな活気なく、ぼーっとしていました。
患者さんを狭い所に押し込めて、無為に過ごさせている。そんな感じに見えました。
50年前の精神科医療とはこんな感じだったのか~と落胆というかショックを感じ、こういう暗い時代を経て今の精神科医療があるのだなとつくづく思いました。

ラストシーンは、病院の個室で老人は明るい顔をしていて、地球を脱出して別の惑星に来たと思っています。病室の窓から太陽を見て「地球が燃えとる」と叫んで終わるといった感じなのですが、この終わり方はなんだかすごく気に入らなかったです。

病院に入ってこの老人が妄想の世界にまみれたまま明るい表情をしているという事に違和感を感じました。

汚い病院に収容されるように入院させられて、本人は『助かった』なんて思わないのではないでしょうか。
精神科に入った後も、『騙されて入院させられた!』『早くここから逃げ出さないと』とさらに狂乱するような姿を見せて欲しかったなと思いました。

病院に入って『助かった~』と明るい顔をしているというのは、あまりにもノーテンキな話だなと思います。

『ボケちゃえば本人は幸せ』『妄想の世界の中にいて外の世界との関わりがなくなちゃえば本人は幸せ』という病院に入れてしまえば家族にとっても本人にとっても幸せで、そこで物語は終わりというようにも見え、反核という社会的なメッセージ性のある映画というだけでなく、なんらかの精神疾患を持っている人としてどういう老人を監督は描きたかったのだろうかと、何だか少し疑問を感じたものでした。

まともな向精神病薬も開発されていない時代でしたし、治療というよりは入れておくだけの病院って感じだったのでしょうね。

昔の精神科医療はこんな感じだったのかな~ってな事をいろいろと想像しながら観た一本でした。

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Author:ぱきら (杉長彬)
作業療法士
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