topimage

2017-06

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ベイトソンの理論と精神科作業療法について - 2013.02.15 Fri

今日は長文です。

ベイトソンの論文と自分の仕事について書きました。


カラオケのプログラムを担当している時に、患者さんは歌っているのに、自分はその様子をただ見ていたら、上司に怒られた事があります。


『なにぼんやり見ているんだ。OTも患者さんと一緒になって歌いなさい。』たしかそんな指摘でした。


その時は『自分はスタッフだから、その場で患者さんと一緒になってしまうんじゃなくて、
患者さんをちゃんと見ていなきゃ。』そんな意識だったのだと思います。


私の上司はそんな私の意識を見抜いて、『一緒に歌え』という指摘をしたのだと思います。



そこにはOTは患者さんを監視する人ではなく、供に楽しさを共有する人なのだという意図がこめられていたように思います。


精神科作業療法の、面白いなと思う事は、
『一緒に歌いましょう!』
『一緒に絵を書きましょう』
『一緒にお茶を飲みましょう』
というこの『一緒に◯◯しましょう』

という行為が治療として成り立つところだと思います。

治療者と患者さんが一緒になって、何かをする。

この行為に人を癒す効果があるのが面白いなと思うのです。


これが、患者さんは、歌を歌うけど、治療者は見ているだけとか、
患者さんは花を育てるけど、治療者は指示を出すだけとか、
だと違います。

これだと意味合いが違ってきてしまうのです。


精神科作業療法の世界では、
治療する人と治療される人
治す人とと治してもらう人
援助する人と援助される人
見る人と見られる人
といった一方的な人間関係では説明できない治療関係が成立する事があります。


これは伴に歌う人だったり
供に花を育てる人だったり、
供に一緒の料理を作って食べる人だったりするわけです。


この型にはまったような『治療者ー患者』という治療関係とは違う関係を作れる所に、精神科OTの醍醐味があるのではないかと思います。


そんな事をつらつら考えていたら、ベイトソンの『分裂生成』の論文のことを思い出しました。


グレゴリーベイトソンは、イルカのコミニュケーションから統合失調症者のコミュニケーション、バリ島人のコミュニケーションなど、いろいろなコミュニケーションについて研究した人です。


NLPやブリーフセラピー、家族療法などの心理療法の基礎になるような研究をした人でもあります。


ベイトソンは、人間のコミニュケーションを、『対称型』のコミニュケーションと『相補型』のコミニュケーションの2つに分類しています。


対称型のコミニュケーションというのは、『隣人同士の見えの張り合い』であったり、『二国間の軍事競争』であったり、
お互いが同じ行動を取りながらも、互いが互いを刺激し合い、
その行動がエスカレートしていくようなコミュニケーションの事を言います。


相補型のコミュニケーションというのは、
『支配と服従』『養育と依存』『見るー見せる』『サドとマゾ』のように一方ともう一方が対になるような関係。
そして一方の行動の強まりが、もう一方の行動を強める。そういった傾向を持つコミュニケーションの事を言います。


そしてこの相補的な関係、対称的な関係のどちらもが、常にエスカレートする危険性をはらんでいるとベイトソンは言っています。

ベイトソンの論文は非常に難解で、私が理解できないことも多いのですが、この『対称型』『相補型』という考え方は私でも何とか理解でき、印象的に覚えています。


私は、人のコミュニケーションを見る時に、

このコミュニケーションは
『対称型』のコミュニケーションなのか?
『相補型』のコミニュケーションなのか?
そんな事を考えます。


私は、医療・介護での援助関係は、相補的な関係と捉えらるとのが、圧倒的に多いのではないかと考えています。


『医者ー患者』という治す人と治される人という関係。
介護する人と介護される人という関係。
身体に触る人と身体に触られる人。
そしてこの関係性は常にエスカレートする危険性があるわけです。



医療者がその医療者らしさを強化させればさせるほど、患者はよりいっそう患者らしさをエスカレートさせていく。
そういった事があるのではないでしょうか?


医者が薬を出せば出すほど、患者さんはもっともっとと薬を欲しがる。

またはセラピストが、患者さんの身体を触って、痛みを取れば取るほど、もっと痛みを取って欲しい。もっと身体を揉んで欲しいと何度も何度もセラピストのもとに通いつめるようになってしまう。


こういう事が相補的な治療関係がエスカレートすると起こりえます。



よく地域で働く精神科のOTやPSWが、
『我々は専門家らしい事は一つもしてませんよ。地域で障害者を支援するという事は、我々の持っている専門性を捨てることなのです。』と話すのを聞きますが、

これは専門家らしさを捨てることで、相補的な『支援者ー障害者』関係から脱却し、障害者の自立を促そうとする意志の表れなのかもしれません。




そこで、私のしている精神科作業療法の分野に話を戻しますと、
精神科作業療法の世界では、この『治療者ー患者』という相補的関係ではない、支援関係を作れる可能性があるのではないかと思います。


例えば、
『私(治療者)が歌を歌うのであなたも(患者)一緒に歌おうよ。』というような対称的支援関係を作る事ができるのです。
ちなみにベイトソンは対称的なコミュニケーション、相補的なコミュニケーションのどちらが良いもいう事は言っていません。


どちらもエスカレートする危険性があり、その際には、もう片方のコミュニケーションを取ってみる(交換型の関係をとる)事が、エスカレートを緩和されると言っているのです。



したがって精神科作業療法は、治療者と患者という相補的関係がエスカレートしそうな状況を緩和させる役割があると考えています。


そしてそれこそが、精神科作業療法のオリジナリティであり、面白さなのではないかと思います。


かなりの長い文章になりましたが、もし最後まで読んでいただけたのなら、本当にありがとうございます。

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://bentoukoukai.blog50.fc2.com/tb.php/2176-d75bc08a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

NLPの勉強会に行ってきました «  | BLOG TOP |  » 間を取ること

FC2カウンター

プロフィール

ぱきら (杉長彬)

Author:ぱきら (杉長彬)
作業療法士
NLPマスタープラクティショナー
心療回想士
学習療法士
EFTレベルⅡ


作業療法とNLPという二つのツールを使って、人が自分の事をもっともっと好きになれるようなアイディアをシェアして行きたいと思います。




mixiやっています

twitterもやっています

メールはこちらから

お問い合わせ、感想、相互リンク希望、セミナー講師、講演依頼などはこちらからどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:

最近のコメント

カテゴリー

最近の記事

リハビリコミュニケーション研究所

リハビリコミュニケーション研究所

月別アーカイブ

療法士.com

理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com

にほんブログ村

ブログランキング

スゴ腕セラピストpodcast「リハビリ界のスゴい人に話を聞こう!」

スゴ腕セラピストpodcast「リハビリ界のスゴい人に話を聞こう!」.JPG

気になる条件で本を検索

作業療法 認知行動療法 SST 心理教育 ブリーフセラピー ソリューションフォーカス 精神障害リハビリテーション 家族療法 ナラティブ NLP 統合失調症 うつ病 アルコール依存症 など気になる条件で本を検索

 

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。